池袋のシネマ・ロサでMOOSIC LABという特集上映が行われており、その中の#3:豊田道倫映像集/実験の夜、発見のロサ。という企画でカンパニー松尾監督が撮影・編集を手掛けた『豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-』が上映されたので見に行ってきました。
2.26(土)#3:豊田道倫映像集/実験の夜、発見のロサ。
『裏バイブル』
2010|演出・構成・撮影・編集:岩淵弘樹|出演:あや、岩淵弘樹|DV|15分
遭難フリーター』監督・岩淵が豊田道倫のアルバム『バイブル』のジャケット撮影地のラブホテルに潜入。そこで呼び出したデリヘル嬢・あや(58)との不器用にもほのぼのとしたやりとりが豊田の音楽世界とアクロバチックに共鳴し合う。
『豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-』
2011|撮影・編集:カンパニー松尾|出演:豊田道倫、昆虫キッズ、友川カズキ|製作:HMJM RECORDS|DV|70分(予定)
「松江哲明による前野健太映像集「DV」に対抗して「AV」とでも呼ぼうか(笑)」と語るAV界の名匠・カンパニー松尾が、豊田の歌とその生き様をストイックに伝えるドキュメンタリー。倒れたペットボトルにすら詩情を持たせてしまうヴィヴィッドな視点に注目。
★カンパニー松尾監督、岩淵弘樹監督ほかによるゲストトークあり
 シネマ・ロサから我が家まで自転車で約10分。ロサの前の道をまっすぐ行ったら川越街道にぶち当たるから信号を渡って一秀ってラーメン屋の横の道を入って行って商店街沿いに…と書いていくとあと2行くらいで我が家の前まで完璧にナビゲージョン出来る距離です。なので21時開始なのに家を出たのは20時半頃。
 20時40分をちょっと過ぎた位に到着。ロサの前に自転車を停め、ブログに載せる為の外観写真をあいふぉんで撮影していると、カンパニー松尾監督が通りかかり何故か会釈されて心臓が止まりそうになる。うわぁもう心の準備全然出来てない時に不意打ちで神様が来たよ!東京怖い!ってかそれより私思いっきり顔バレしとるがな!
 とりあえずtwitterに松尾監督遭遇情報を送信したりなんやりしてからチケット売り場に向かうと、その近くで松尾監督が関係者の方などに挨拶されていた。…近くに行くのが怖くてチケット売り場に並べない。のでまたあいふぉんを弄ったりして少し時間を潰してみるがそんな事してたらいつまでたっても入場できないのでチケット売り場の行列が短くなったタイミングを見計らってそーっと並ぶ。
 が、チケット売り場に並んでいたら今度はHMJMの監督の皆さんが勢ぞろいでいらっしゃって声を掛けられる。毎日我が家のブラウン管テレビで見ているスター(って私が自主的にDVD買ってきて毎日繰り返し見てるだけなんですが)がずらっと並ぶ夢のような状況。あまりの光景に皆さんを正視出来ずひたすらすいませんすいませんと何故か謝り逃げるようにチケット売り場に向かう私。わぁその時の事思い出したらオラ死にたくなってきたぞ!ホンマにうち何やってんねん意味解らん完全に頭おかしい幼稚園くらいから人生やり直したい。
 もうねぇ、タートル今田監督の笑顔が目に入った瞬間、目が潰れるかと思ったんですよ。私が日常生活で笑顔になるのなんてエロい事考えてる時か他人が失敗してるのを見た時くらいなんで笑顔が濁っとる訳ですよ。今田監督の様に素敵に笑えないんです。私のような腐った人間(腐女子とダブルミーニングで)はあの笑顔を向けられる資格はないのです。恐らく『私のような人間が生きててすみません』という『すみません』です多分あの時口をついて出たすみませんは。
 んで、その他の監督さん達も光り輝いていてとてもまともにそっちの方見れなかったのでございます。何だか知らないけどホンマに怖いんですよ。恐怖感を感じるの。ジャニーズのコンサートとか見ると女性客がキャーって言ってるでしょ。あのキャーはホラー映画見てる時のキャーと同じなのです。すっごい好きな憧れの人達を目の当たりにすると恐怖を感じるもんなのです。…うん、何かこうやって文字にするとまるっきり狂人の理屈っちゅうか何が言いたいのかよく解んないですね。まぁ挙動不審な感じで完全に頭のおかしいおばはん丸出しの行動を取ってしまったけどそこまで変な人じゃないんですよ!と言い訳しようとして失敗しましたって事です。

 うぅしくじった何やってんねん自分…と落ち込むを通り越して死にたい気分になりながら入場。前から2列目のセンターに座り、うなだれながら上映を待っていると「入口が混雑しているので5分遅れて上映を始めます」というアナウンス。どの案内見ても21時上映開始としか告知されてなかったからお客さんがみんな21時ギリギリに来たのかな。
 21時5分頃から予告編の上映開始。知恵遅れのお坊さんのバンドの映画とかサッカーの地域リーグの映画とか予告編でやってた映画全部面白そうやった。劇場版神聖かまってちゃんは見に行きたいなぁ。YOUTUBEで予告編見た時はほぉーって感じやったけど劇場で予告編見るとめっちゃ見たくなった。

 最初に裏バイブルが上映される。普段駒込の街を歩いていてもまぁこんなもんだと思ってスルーしてるけど、映画館の大スクリーンで改めて見ると全然東京に見えへんなぁ。この作品はめっちゃ古いラブホテルで撮影するんだけど、隠し撮りをしようとしてるのか道端でカバンに穴を開けたりなどするが、そうやって撮影したらしき箇所は全然使い物にならない映像しか撮れてなかったらしく一瞬しか使われてなかった。
 その他、おばちゃんというよりお婆ちゃんデリヘル嬢と「何歳に見える?」という定番のやり取りをしていたり、スリップっていうかシミーズっていうかなんというか若い女性が付けていない様な下着を着けていたりと、うは!と思うようなシーンがいくつかありますが15分の作品なのであんまり書くと全部書いちゃう感じになっちゃうのでこの辺で止めときます。

 ぶっ続けで豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-が始まる。去年の秋に新宿Pooで『豊田道倫 映像集 Ⅲ 新宿Poo上映版』を見たのだけれど、その時に見た印象と今回見た印象がかなり違うように感じました。
 数ヶ月前に1回見たっきりで細かい所はもう結構忘れてしまっている気もします。でも、編集自体も多少は変えられていたようだし、映画館の大きいスクリーンで見るのと新宿Pooのプロジェクターで見るのとの違いもあるだろうし、見るのが2回目だってのもあるだろうけど、そういう細かい要因だけでは済まされないくらい印象が違う。そんなに大幅に編集は変えられていないはずなのになんでやろう。
 最初に見た時の「(豊田さんのキャリアの中での)えげつないシーンをしっかり撮ってはるなぁ」って感じとは違って、なんというかちゃんと『映像集』になっている感じがしました。

 Pooで見た時にうわーもう止めて!という気持ちになって見ていて変な汗をかいた新婦さんが新郎の豊田さんのライブに飽きてしまってチラチラ周りを気にしていた結婚式のシーンやショッピングセンターのライブシーンが最初見た時よりかなり短く感じたんだけど、これは初めて見た時の衝撃とどういうシーンなのかっていうのを解って見ているのとの違いなのかな。
 結婚式のシーンはPoo版では特に説明もなく始まった(という風に記憶している)のですが、MOOSIC LAB版では新婦が豊田さんのCDジャケを手掛けた写真家である事などがテロップで説明されて、あぁそれで自分の結婚式なのにウェディングドレス姿でカメラをぶら下げてはるのか、など細かい疑問が解消されて見やすくなってました。
 この後に行われたトークショーで今回劇場で上映するにあたってテロップを入れたりして解りやすくしていると松尾監督がおっしゃっていたので、DVD化される際にはこの辺りがまた違ってきそうな予感。

 それから、やっぱこういったライブ映像集でもカンパニー松尾監督の作家性がすっごい出てます。一般的なライブ映像ってやっぱりその時演者がライブをどういう風にやり遂げたかっていう映像がずらっと繋げられて1つの作品になっているモノが多い印象ですが、この作品は『結婚式での演奏を新婦がどう見ているのか』だとか『ライブを見ているお子さんの様子』など、どういうライブを豊田さんがやっていたのかって以外の情報がガンガン入れ込まれていて、この情報量の多さは完全に松尾節だなぁと感じます。
 松尾監督がテレビマンズPRIVATE LESSON 10というイベントの中で「最近のカラミが連続していっぱい出てくるようなAVはげっぷが出る。」という旨の発言をしておられたのですが、そういう目で見ると『一般的なライブDVD=カラミが連続していっぱい出てくるようなAV』に対して『豊田道倫映像集=カンパニー松尾作品』があるのかなぁと思いました。

  あと、私は今まで映画館で音楽を題材にした作品を見た事がなかったのですが、事前に予想していた以上に良くてびっくりしました。音楽は生で聴くのが一番や!と思って今まで生きてきましたが必ずしもそうでもないかも?と今は考えています。
 豊田さんの音楽性とかライブのやり方がこうやって映像に残すのに向いているっていうのもあるのかもしれませんが、それでも、終盤の昆虫キッズのライブシーンなんかも現場の前の方でわーわー言いながら見たり後方で落ち着いて見るより今回のように劇場で見た方が冷静にアツくなれるというか、そんな感じで見る事が出来てええような気がします。やっぱその場に居たらじっくり集中して聴いたり出来ひんもん。
 でも、新宿Pooで見た時はそんなにこういう風に思わなかったって事は映画館の大きなスクリーンマジックっていうのもあるんやろうな。Pooはカッタイ木の椅子に座ってよく解らん体勢で見てたし、途中で映像が止まったりしたりのトラブルもあったし、わちゃわちゃした、よく言えばライブ感のある形で見てたからなぁ。

 この『映し出させるスクリーン環境によって見た印象が変わる』ってのを体感して、うちのテレビも買い換えようかなと現在悩んでおります。J-com板橋(ケーブルテレビ)に入っているのでアナログテレビのままでも2015年までは今まで通り見られるからギリギリまで頑張ってやろうかと思ってたんですが、うちの正方形のブラウン管テレビでDVD見てるのは新宿Pooのプロジェクターで見てるようなもんなんじゃないか、ちゃんとした最近のテレビで見ないと製作側が意図した感じで見れていないんじゃないかと不安になってきたもんで。
 つうか我が家のテレビAIWA製ですからね!もう会社自体が無くなってもうてるし。20世紀の遺物です。そんなテレビの画面をあいふぉんで撮影するという適当な方法でこのブログに載せる画像を撮っています。そりゃ走査線入りまくりで汚い訳ですわ。

 上映が終わった後、トークショーまでしばらく時間があるっぽいのでお手洗いに向かう。と松尾監督に出くわしたので思わず顔を背けて通り過ぎる。…うん、私、思いっきり失礼な事してるね。自分でも解ってるねんけど、なんかね、怖かったの。そしてお手洗いから戻る際にも松尾監督とすれ違う。…私の神様、めっちゃウロウロしてはるなぁ…
 席に戻ってしばらくするとトークショー開始。司会の方、岩淵弘樹監督、カンパニー松尾監督という並び。自己紹介などはなし。喋り出しからいきなり松尾監督の裏バイブル評。「PCの画面で見た時は良かったけど、こういう場所で見ると音なんかが雑」…確かに映画館の大スクリーンで見るタイプの作品とはちょっと違うのかも。松尾監督の言うように家でPCで見た方が良さがよく解る気がする。
 あやさんのお腹がばーんと映ってるシーンとか、奇妙な踊りを踊ってるシーンだとかは家で一人で見てたら普通に笑っちゃうんだろうけど、周りに人がいっぱい居る状況だと『年配の女性のこういう姿を見て笑ってしまってはいけないんじゃないか?』という雰囲気になっちゃうんですよね。実際声を上げて笑っている人はあまりいなかったし。
 続いて『豊田道倫 映像集3』-MOOSIC LAB Version-◉カンパニー松尾監督インタビューの話題。岩淵弘樹監督がインタビューした記事だからってのもあるのでしょうがリンク先のインタビューの話をなぞった様な内容でした。

 ここから先は豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-についてのお話。
・豊田さんのライブを見始めたのがHMJMのイベだったので映像集3に収録されている時期と大体同じだと語る岩淵監督。
・司会者:冒頭、友川カズキさんのライブ映像から始まるのだが何故か→松尾監督:豊田さんに友川さんみたいなデカイ男になって欲しいから。
・司会者:映像集2までと距離感が変わって来ているように感じるが→松尾監督:今回は(劇場でかかるから)テロップを入れたりして解りやすくしている。
・実はこの5年間はあまりライブを見れていない。これまでの中で一番ライブを見ていない5年間だと思う。その中で、これという曲を時系列に沿って並べたらこうなった。
・松尾監督の撮り方と豊田さんのライブのテンションの食い違いなどがあり、監督がちゃんと撮影出来てても豊田さんのコンディションが良くない事や、逆に豊田さんがいいライブをしていてもあまり良い感じに撮影出来ていない事もあるので、1回のライブを撮影しに行っても使えるのは1曲くらいしかない。
・思い出した!と松尾監督が叫び、(ライブを撮影するのは)AVと同じ撮り方をしている、ずっと回しっぱなしで、寄りの1箇所を見ながら引きの画を考えて撮影していると語る。
・その話を受けて、自分もライブ映像を撮るがカメラマンとしての修行をしていないので力量の違いを感じる、と岩淵監督。
・司会者:この大きさで(映像を)見るとカメラの微妙な揺れなどが見えますね。→松尾監督:このサイズで見た事がなかった。ゴッホ(の手紙、オレの手紙)はキツかった。でも、大きな画面で見れて気持ちよかった。
・岩淵監督:作品中、6:4画面だったのが途中から16:9に変わるタイミングがありますが…→松尾監督:たまたまその時に撮影していた機材を買い換えただけだよwよく見てるね。
・インタビューの中でもハイライトだとおっしゃっていた昆虫キッズのライブの話をする岩淵監督。あのライブはいつもの昆虫キッズのライブともちょっと違った盛り上がりだった。豊田さんのダイブも出たし…というお話。
・男が40歳を前に結婚して、子供も生まれて、家庭を持って…という所が今回面白くなったポイントだと語る松尾監督。
・最後の、松本亀吉さんも褒めていたペットボトルのシーンについては「AVでよく使っている手法だ」と簡単に言って終わらせちゃう松尾監督w

 今日は来ないと言っていたのにさっき裏にめかしこんだ豊田さんが居たよ、というフリから豊田さん登場。「一番最近作った曲を1曲だけ歌って帰ります」と言ってエンドオブザツアーという曲を弾き語り。
 豊田さんが歌い終わった後、再びお三方が舞台に上がり、物販の宣伝などの告知をして終了。終わったのは23時くらいだった。
 余談ですが、司会の方(自己紹介などがなかったので名前判らず)が松尾監督の事を終始『カンパニーさん』と呼んでいたのが気になった。…カンパニーさんか。まぁ間違っては無いけど、でも、カンパニーさんでもないような気が…。それとも同じ会社にアキヒト監督がいらっしゃるから松尾さんって呼ぶと紛らわしいからわざとそうしてはるんかな。

 終演後、そのまま行けば池袋文芸坐の平成ガメラの三部作(平成ガメラの1作目、大怪獣空中決戦は私が一番好きな映画だったりします)のオールナイトの上映に間に合う時間だったけど、映像集3の余韻に浸りたいので行かずに帰路につく。でも、すぐに家に着くのがなんだか勿体無いような気がして、北池袋のドンキに寄って沢山のお菓子を買い込んだり、遠回りして大山商店街の方をぐるっと一周したりしてから帰宅。

 豊田道倫 映像集3-MOOSIC LAB Version-は音楽は生で聴くのが一番や!というライブ幻想を良い意味で打ち砕いてくれました。今回の映像集みたいな音楽と密接な作品を映画館でもっと見たいな。銀杏BOYZの僕たちは世界を変えることができないも見に行けば良かった。劇場版かまってちゃんはドキュメントじゃなくて劇映画だけどライブシーンもある、くらいの感じらしいけどとりあえず公開されたら見に行こう。