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2011年11月

HMJMナイツ 第一夜「監督失格」+「UNDERCOVER JAPAN」

 オーディトリウム渋谷でHMJMナイツ第一夜というオールナイト上映を見てきましたよ!オーディトリウム渋谷はユーロスペースと同じ建物内にあるオサレな感じの映画館(という表現自体がアレかもしれませんが)。建物自体かっこいい!東急本店の近所、O-westとかasiaとかのライブハウスやらクラブやらがある坂の途中にあります。場所もオシャレ!文化の発信基地!そんな映画館でHMJMナイツなんて企画があったらそりゃ行きますよ!!

 平野勝之監督の監督失格上映記念企画という事で監督失格とUNDERCOVER JAPANの2本が上映されるという企画でした。夜中の0時上映開始で監督失格が111分。休憩を挟んでUNDERCOVER JAPANが200分。UNDERCOVER JAPANは上映時間が長いという事で上映途中で1回休憩が挟まれ、全ての上映が終わったのが朝の5時半頃でした。

 この日は朝からずーっと雨。正直あんまり外に出かけようという気分にならない感じ。これはお客さん少なそうやなぁと思いながら開場時間をちょっと過ぎた位の時間に入場。…案の定寂しい客入りでした。いや、でも、映画のオールナイトなんてそんなにお客さんいっぱい入るようなもんちゃいますしね!しかしあれっすか、HMJM好きな皆さんはあんまりイベとか興味ないんですかね。それともDVD持ってるからいいやって事なんですかね。持ってるDVDでも映画館の大きいスクリーンで見る機会があるなら見たいと思ってる私のような人は少数派なんでしょうか。

 この先ネタバレありでぐじゃらぐじゃらと感想などを書いていくのでこれから監督失格を観るつもりの人などは読まないで下さい。

 0時。最初は監督失格の上映。実は私、監督失格を見るのは2回目です。10月1日(土) に東放学園映画専門学校でわくわくドキュメンタリスト養成講座 平野勝之×カンパニー松尾というイベントがあって、一般枠に応募したら当選して見られる事になったのでこのイベントに参加する前にちゃんと映画は見とかなあかんやろうって事で観に行きました。
 けど、何だか行けるタイミングがなかなか無かったのでかなり疲れてフラフラの時に無理矢理観に行く事になってしまいました。そしたら、何ちゅうか、最初から最後までぼーっと観てしまって、観終わっても「え?あれ?これで終わり?」みたいな感じになっちゃったんですわ。途中で寝たりはしてないし、最初から最後までちゃんと観て、内容も全部理解は出来てたんですが、何だかふわーっとした感じで観ちゃったので一応観たけど観てないみたいな感じ。
 問題のシーンなんかは色々感じる所や考える所もあったんですが、事前に予告編なんかを観て受けた衝撃の方が大きかった。なのでこれは映画を観たうちに入らんし、色々確認しておきたい事もあるし、これはもう1回観なきゃと思ってたんでちょうど良かったです。

 んで、2回目に観た感想なのですが…えー、1回目に観た感想とそんなに変わらない感じです。やっぱり「え?あれ?」ってなっちゃいました。これは事前に「面白い!」「絶対観ろ!」みたいな話ばっかり聞こえてきててハードルが上がりまくってしまってたのもデカいと思います。多分全然期待しないで観たらこういう感想にはなってないハズ。

 この1週間前に渋谷UPLINKで由美香観ちゃったんですよ。これも結構大きいかと思います。由美香は良かった!面白かった。監督失格の前半部分は由美香を再編集した映像なんですが、この監督失格前半部分は由美香で私が面白いなぁと思った所を全部切ってもうてるんです。由美香さんにウンコを食べさせるって事に関するエピソードとかをばっつり切っちゃっててただ単に2人が旅してるだけのお話にしてはるんですわ。
 UPLINKのイベの記事に書いたんですが、その日、由美香の上映後のトークショーの冒頭、松尾監督が「由美香面白かった?AVの方(わくわく不倫旅行)は見たし面白かったけど。…ホントに面白かった?」と何となく言いたい事があるけど大人だから言わない、みたいな雰囲気を出してはったんですが、もしかして松尾監督は由美香=監督失格の前半みたいに純粋に旅部分を見せる映画だったと思ってらっしゃるんじゃないかな。映画の方(由美香)は観てない、でもAVの方(わくわく不倫旅行)は観た、面白かった。っていうのと監督失格は観たって言うてはったし。あの前半部分だけの映画やと思ってはるんやったら「ホントに面白かった?AVの方は面白かったけど」みたいな事を言いたくなるのも解ります。

 でも、監督失格の前半部分を旅部分だけにしちゃうのはしょうがない。その他のエピソード入れちゃったら情報が多すぎて映画の主題がぼやけちゃうし、この前半部分は由美香さんという女性はこういう人でしたよ、っていうのを見せる為のシーンなので。ウンコ食べさせる事に関する葛藤どうこうっていうのは今回の映画には関係ないお話、というか由美香でやった話なので、その要素は排除せなあかん。だから、これで正解やと思います。
 あぁでも由美香はあんなに楽しかったのに監督失格の前半部分は何だか楽しくないお話になってたのでやっぱ結構悲しいです。同じ映像素材を使って、しかも沢山のシーンが重複してたりするのに編集の仕方でこういう風に全然別物になってしまうんやという編集マジックを実感出来て面白かったというか勉強にはなりました。「映像は嘘をつく」ってヤツですね。

 で、後半。由美香では使われてなかったあの旅の帰り道の映像や由美香さんのインタビューを経て、例のシーン。「この映像が撮れてしまった」経緯というか流れもちゃんと描かれています。なので、「あぁ現実なんやなぁ…」と受け止められますが、やっぱあのシーンはですね、うわぁぁああぁぁああってなりますね。何かこの場で色々書いてもしょうがないというか、とりあえず観て下さいとしか言えないです。
 そして、AV監督としてのデビュー作、そして代表作となる由美香の元になるわくわく不倫旅行と映像作家としてのポイントポイントで由美香さんを撮り、そしてとどめにこういう映像が撮れてしまい、それ以降作品を作れなくなってしまった平野監督の物語になります。が、この部分が思ってたよりめっちゃ短かった。。。ここの部分もっと描いて欲しかったなぁ。うーん、でもまだ現実が話の途中って言うか、「撮れてしまった(或いは由美香さんに撮らされた)問題の映像を作品にする」って事だけしか平野監督はやってないんですよね。全然気持の整理ついてはらへんでしょ。だからこれ以上描きようがないですわな。だからこれ以上やりようがない気もする。

 前半もこういう内容の作品としてはこういう風にせざるを得ないし、後半も今の時点ではこれ以上描きようが無い。だから、たぶん今の時点ではこれ以上の作品にはしようがないんですよね。解ってはいるんですが、でももうちょっとやりようがある気がするねんなぁ…。今後、由美香さんを失ったという経験を乗り越えて、平野監督が由美香さんと全く関係の無い作品を撮った後とかにその関係のない作品を撮る気になったきっかけなんかを絡めて描くとか。でもそれだと一体何年後になるねん。っていうかか果たしてそんな時が訪れるのかって感じもしますが。

 あと、印象に残ったのは予告編にも使われていた問題のシーンが撮れていた時に現場に駆けつけた松尾監督が撮っていた映像。そんなに長くないシーンなんですが、こんな状況なのに完全にカンパニー松尾の映像が撮れててビビりました。何かね、あまりの出来事に建物の中に入る事が出来なくて、外で救急車へ運ばれる由美香さんを見送る事しか出来なかったそうで、地面にカメラ置いちゃってたりするんですよ。んで、そんな所に雨が降ってくるんです。アスファルトにぽつっぽつっと雨粒が落ちてきて…って映像が撮れちゃってるの。
 こんな状況でそんなドラマチックな映像がカメラを地面に置いてるだけで撮れてるってのはホンマ神がかってます。問題のシーンは由美香さんと連絡が取れなくてお母さんを呼んで…って状況だから今回のような最悪の事態が映像に残っちゃうってのもあるかもしれないという予想は立つ。でも、そんな事件が起こっている夜の、ちょうどカメラを地面に置いてしまっているタイミングでああいう風に雨が降るとかいくら何でも出来過ぎでっせ。問題のシーンは「由美香が撮らせた」と平野監督はおっしゃってましたが、そうだとしたらこの松尾監督の映像も何だか由美香さんが撮らせたような気がします。
 監督失格の上映が終わった後、休憩を挟んでUNDERCOVER JAPANの上映。
 この作品はHMJM初期の紙ジャケで発売されたシリーズのうちの1つです。HMJMのサイトの通販ページ見たら在庫があと2枚ってなってるのでまだ買ってない人は急げ!古い作品なんでなかなかお店に置いてないよ!ってか紙ジャケシリーズの作品置いてるお店自体当時から少なかったらしいよ!
 前は池袋のラムタラのHMJMコーナー(店長さんがカンパニー松尾監督のファンでめっちゃ気合の入ったコーナー展開をしていた)に行けば売ってたんですが、お店自体が無くなってしまいました。。。池袋店の店長さんは現在高田馬場店に移動されてまして、そちらでも気合の入ったHMJM棚を作っておられる(そしてちょっと安めに売ってはったり松尾監督のポラ入りのポップを作ったりと頑張ってはるので皆さん買いに行きましょう)んですが、恐らく池袋店の閉店セールでがばっと売れちゃったらしく、こないだ高田馬場店行ったら紙ジャケシリーズで残ってたのはアイデンティティだけでした。こういった旧作は売れちゃったらもう仕入れられないっぽいので閉店セールで安く手に入れた方はおめでとうございます。そしてまだ買ってない人は急いでHMJMのウェブサイトで買っちゃえ!

 何年か前のクリスマスにこの作品が映画館で上映された(そしてそれをAV女優になる前のましろ杏ちゃんが観に行っていて、それがきっかけで彼女はAV女優になった)という話を知っていたので、AVとして発売されたのとは別バージョンのエロシーン少な目の上映版があるのかと思ってたのですが、そうではなくAVとして発売されたUNDERCOVER JAPANがまんま上映されてました。
 この作品、実は松尾監督のパート以外はエロシーンがないんですよ。真喜屋監督のパートは沖縄でダラダラしてるだけだし、平野監督のパートは一人で年末の北海道をひたすら自転車旅行してる。だからAV版とは別の上映版もありそうな気がしてたんですが違ってましたわ。しかし映画館のスクリーンで見知らぬ人達に囲まれて松尾監督のハメ撮りシーンを見るというのもやっぱかなり気まずい感じで、でもちょっと楽しかったです。私の後ろに一人女性のお客さんがいらっしゃいましたがその他は男性ばっかという状況で、結構しっかりヌケる感じの映像を大画面でってのは周りが気になって気が散りますw
 
 北海道と沖縄のパートは、ここで「これこれこういう事があって…」みたいに文字で説明したらすっげぇしょうもない事しか書けないのでそういう説明は省きますが、実際の映像はなかなか楽しいです。とりあえず機会があったら見てみて下さい。
 特に沖縄のパートはホンマに何にも起こらないんですけど、めっちゃ沖縄っぽい感じの人やモノばっかり映し出されていて逆にびっくりしました。「ホンマに沖縄ってこんなんなんや!」みたいな。だって年越し蕎麦にソーキ蕎麦が出てくるんですよ!いや蕎麦っちゃあ蕎麦やけどホンマに普段からそんなんなの?もしかして本土の人を騙そうとしてない?とか思っちゃう勢いです。あと注目点としては映画館に居ついてる猫めっちゃ可愛い。あんな猫飼いたい。
 北海道パートはひたすら平野監督が冬の北海道を自転車で旅行してます。夏の北海道自転車旅行(由美香)はちょっと楽しそう、やってみたい、みたいな気持ちになったのですが、冬は絶対無理っすねw私は今まで雪の降る地域に住んだ事がないので吹雪っていうのを体験した事がないんですが、ホンマにあんな音がして、あんな怖い事になるんですな。そしてそんな場所なのにみんなバイクやら自転車やらでよう行くわ…行き倒れる人とか死ぬ人とか出ないんすかね。もしかしたら普通に毎年死人が出るから逆にそんなに報道されてないって事だったりしないの?という気さえします。

 松尾監督の東京パート。時間的にも内容的にもここがメインパートです。年末の華やいだ東京の街で毎日色んな女性と逢い、ハメ撮りをする松尾監督。クリスマスから年末にかけての東京ってそっこら中でイルミネーションとかやってて綺麗だけどウザいんですが、その綺麗でウザい東京の街を切り取って映像に残してはります。2003年の映像なんで、新宿駅南口の道を挟んだ向かい辺りがまだ工事途中だったりと今現在の東京とは微妙に違うのも面白いです。これ、あと10年経ってから観たらもっと面白いやろうなぁ。
 一人目のモデル事務所に紹介された爆乳ちゃんとのシーンは安心して観れる感じなのですが、他の女性はHMJM初期作品らしくあえて地雷を踏みに行くパターンの人が何人か。レディコミを見て応募してきた太った女性を撮影した後に「まっすぐ帰る気にならなかった」とトンカツ屋に寄ったりなど。…よりによってトンカツってw松尾監督酷過ぎますよ!
 でも、応募動機などで結構ヤバげな雰囲気を出していたものの、ヤッてみたら良かったって人が多かったのも面白かったです。
 パニック障害だかそういった精神的な病気で乗り物に乗れないので自宅で撮影して下さいという千葉の人妻。松尾監督も一人で行くのが怖かったらしくカメラマン吉田さんと2人で人妻さんの所へ。確かにちょっと変わった人で、住んでる部屋などもちょっとおかしい感じだったけれども、旦那さんの居ない昼間に人妻さんの自宅でというシチュエーションも相まって非常にエロい感じで素晴らしかった。その人妻さんに駅まで送ってもらう途中に公園に寄ったりするのも印象深かった。
 その他に「今すぐお金が欲しい」という理由ですぐに逢う事になった横浜の女性もその成り行き的に地雷っぽいかなぁと思いきや、障害者トイレでのハメ撮りがなかなかエロくてうぉぉってなりました。当初はトイレで軽くハメてからホテルに行って本格的に撮影する予定だった松尾監督もこの時点で張り切り過ぎてその後のホテルでの撮影はナシになってましたw

 エロいシーンはがっちりエロくてAVとしての実用性も高いし、それ以外のパートもそれぞれ面白い、そして3人の監督が過ごした2002年の年末の記録というテーマもすっげぇ良い。もう完璧じゃないっすか!文句つけようないっすよ!この作品を観て「松尾監督に逢いたい」と思ってAV女優になっちゃったましろ杏ちゃんの気持も解ります(このましろ杏ちゃんがAV女優になるきっかけのお話は恥ずかしいカラダ DOCUMENT ましろ杏のインタビューシーンで詳しく語られておりますので興味を持った方は買いましょう!)。そんな杏ちゃんももうすぐ引退されるそうで…彼女の今後の人生に1つでも多く楽しい事がありますようにと願います。

 上映終了後。外に出たら会場のシャッター?がほとんど閉められた状態でした。でも外の通りはめっちゃ人通りが多くてびっくり。日曜の早朝5時半のホテル街とは思えないくらい盛り上がってる若者がいっぱい。恐らく同じ通り沿いにあるクラブやらライブハウスやらのオールナイトイベがちょうど終わった時間帯だった模様。
 最寄り駅から自宅に帰る途中にある新板橋駅前ホール。我が家から歩いて数分の所にあって、毎日ここの前を通ります。たまにここで有名人のお葬式やるんですよ。前に漫画家のはらたいらさんのお葬式もやってて、前を通りかかりました。
 んで、こちら、監督失格の中でも思いっきり出てきます。ここで林由美香さんのお通夜とかもやってたんです。ってかその日も私、通りがかりました。報道陣が結構居て「誰のお葬式かな?」と思ったら林由美香さんの式だったという。あと、由美香さんのお墓って板橋区にあるんすよね。板橋区って言っても一番端っこの荒川の近くなんですが。…とこのように地味に由美香さんと板橋は所縁がございます。

 レビューとかで監督失格はあんまり良くなかったって書いてる人は由美香さんの事を全然知らないで観た人が多い印象ですが、私はこのお通夜に出くわした事によって彼女の作品を観たりしたし、その上、カン松信者なので監督のキャリアを辿っていく上で林由美香という女優さんは避けて通れない人物なので知らない訳じゃないんですよ!でも、監督失格を観て全然ピンと来なかった理由のうちで一番大きかったのは、恐らく、監督失格を観る前に私を女優にして下さい AGAIN 11 駒込・春日井・尾道 ヤセムチ純白極楽往生編を観てしまったからだと思います。

 私を女優に…11の方はアダルトビデオとして製作されてるんですが、その中に松尾監督がお父様の介護の為に名古屋のご実家に帰られる所や、闘病生活の様子、そしてお父様が息を引き取る瞬間の映像が入ってるんですよ。大切な人を失う物語という意味では監督失格に似たテーマの映像作品で、更に監督失格より数段上の表現をしていると感じました。
 もちろんAVなので全編がそういうお話という訳ではなく、chapter1の駒込の女性とのパートはもう純粋にエロくて、オナニーしようと思ってレンタル屋で借りてきて見たような人はこのパートで満足してしまって先を観ないまま返却しちゃうんじゃないかという位の勢い。撮影時の時系列でいうとこの駒込の撮影をしたのは私を女優に…10で描かれている松尾監督のヘルニア発症の直前なので「何故10の最初のパートでこの人との映像を使わず以前撮影してそのまま置いていた横浜の女性と撮影した映像を使ったのか?(普通に撮影した順番で使っても入るはずだし、何しろヘルニア発症直前の撮影映像なんだからそれを最初に見せた後にヘルニアを患っている時に撮影した映像を続きで見せた方が比べて観れて違いがよく解る)」という謎は残りますが、とにかく今まで私が観て来た松尾監督のハメ撮りの中でもかなりの上位にランクインする出来なのです。
 そういったドエロな映像の後に、監督の生活の中の出来事としてお父様との別れの準備(=介護)をしながらお母様の車で名古屋の子をハメ撮り(=仕事)しに行き、そしてお別れの瞬間(=息を引き取る瞬間)もしっかり映像に残し、更にその後に大切な人を失ったりヘルニアになったりと大変だった2010年に別れを告げるべく旅に出る様子(ジュンナちゃんとのchapter3。このパートもすっごいお気に入りです。広島行きたくなる)までしっかり描かれてるんですよ。もう完璧じゃないっすか!
 お父様が亡くなる様子を撮影されたのが2010年の末なんですよ。んで、監督失格の初号試写も大体同じ位の時期だった(twitterなんかでその試写を観た人が話題にしてたのがその辺り)ので、これはもしかして監督失格を観た松尾監督が俺ならもっとすげぇ作品が撮れるってんで私を女優に…11をこのような作品にしたのではないかと、1回目に監督失格を観た後に思ったんですよ。
 そんな事を考えてる時、11月5日に買取販売市場ムーランというアダルトDVD屋さんでHMJMのイベントがあったのですが、お客さんが少なかった為、松尾監督が来たお客さん全員と一問一答するコーナーがあったんです。そこで「私を女優に…11は『俺なら監督失格より凄い作品を作れる』という想いで作ったのではないですか?」みたいな事を聞いてみたんですよ。でも松尾監督からの回答は「そんなこと無いです、違います」って回答だったので私の感想は大ハズレだった模様ですw
 「身内だからああいった映像(息を引き取る瞬間の映像)は撮ろうと思えば撮れる」とおっしゃってたんですが(そういえばこの日上映されたUNDERCOVER JAPANの中でも叔父さんが入院されてる所にお見舞いに行って人工呼吸器付けて大変そうに息をしているのを写し出しているシーンがありますね)、でも、こういう映像自体は撮れてもそれをこういった作品にする事さえ普通の映像作家なら考え付きもしないんではないでしょうか。しかもただの映画ではなく、AVとしてもむっちゃ良い作品に仕上げるとかもうやってはる事のレベルが高すぎて怖いくらいです。
 そんなとんでもない出来の私を女優に…11を観た後に監督失格を観たら、そりゃやっぱ感じる事は少ないっすよ!というカン松信者丸出しの締めで終わりたいと思います。平野監督のファンの皆さんごめんね!あれっすよ、HMJMナイトの感想として書いた記事なんで許して下さい。

『監督失格』公開記念平野勝之監督特集 ~入門編【2011年11月13日】

 『監督失格』公開記念平野勝之監督特集 ~入門編を見に渋谷UPLINKに行って来ましたよ!

 私が行った入門編は『由美香』の上映とカンパニー松尾監督と東良美季氏のトークショー、翌日のDEEP編は『21歳-みたされない隙間の時-』と『わくわく不倫講座 楽しい不倫のススメ』の上映と雨宮まみさん、ペヤングマキさんのトークショーという内容。
 渋谷の東急本店の先のお洒落ゾーンにあるお洒落な建物の中の映画館って事で女性客やカップル客多目の客層。…このイベの1週間前に秋葉原のエロDVD店で行われたHMJMのイベント(カンパニー松尾監督も出演)では全く見当たらなかったサブカルの皆さんや!話題の映画・監督失格の関連イベだからでしょうか。それともUPLINKという会場についているお客さんなのでしょうか。
 そして奇しくも今回のイベントのちょうど一週間後、11月19日にUPLINKの近所のオーディトリウム渋谷って映画館でHMJMナイツってオールナイト上映やるんですけど、サブカルなお客さん達はそっちにも来てくれるかなぁ?第一夜って書いてあるから1回きりじゃなくてこの先も予定はあるんだろうけど、お客さんいっぱい来てくれた方がやっぱイベントの頻度も高くなるだろうし長く続いて行くと思うので皆さん是非見に行きましょう!
HMJMナイツ 第一夜「監督失格」+「UNDERCOVER JAPAN」
2011年最大の問題作『監督失格』上映記念。平野勝之監督も参加した幻の傑作オムニバス『UNDERCOVER JAPAN』を蔵出し劇場初上映!
2011年11月19日(土)オーディトリウム渋谷
■上映スケジュール
23:40-開場 24:00-上映開始
『監督失格』『UNDERCOVER JAPAN』上映
■料金(二本立て)
一律2500円 当日券のみ/11月19日(土)20:00より受付開始いたします

 この日上映された『由美香』はアダルトビデオとして発売された『東京~礼文島 41日間自転車ツーリングドキュメント わくわく不倫旅行 200発もやっちゃった!』を再編集して映画にした作品です。カラミのシーンを削った(と言っても全部切った訳ではなくちょいちょいそういうシーンもあります)劇場版。
 平野監督が自転車で日本の最北端を目指すというドキュメントを撮ろうとしていたら、当時愛人関係にあった林由美香さんが「面白そう。私も行きたい」と言い出し、2人で自転車旅行をするのならそれをAVにしようという事になる。が、その企画をV&Rに持っていくと「今は林由美香の名前では作品が売れない、林由美香の名前を出したいのなら最後に彼女にウンコを食べさせろ!それ位やるなら商売になる」と言われ、ゴール地点で彼女にウンコを食べてくれと言わなければいけないという目的を隠しながら自転車旅行をする…という作品です。

 いや、この作品ね、普通に面白いですよ。面白いって言うか楽しい。元々AVとして作られてるので良い意味での軽さというかライトさというか、『楽しいモノ感』があるんです。映画って楽しい作品を目指して作っても、どうしても『楽しい映画』にしかなんない作品ばっかりな気がするんですが、由美香は『楽しい映画』っていう枠をぬるっと飛び出してもうちょっと広いカテゴリーに行ってる感じがします。
 あぁでもこれは私がそんなに大量の映画を見てないからそう思ってるだけでもしかしたらちゃんと探せば同じように『楽しい映画』って枠を飛び出してる映画も結構あるのかもしれないっすね。そういう映画があったらこっそり教えて下さい。見てみます。

 実は上映後のトークショーの冒頭に松尾監督が「『由美香』面白かった?AVの方(わくわく不倫旅行)は見たし面白かったけど。…ホントに面白かった?」と何となく言いたい事があるけど大人だから言わない、けどちょっと言いたい、みたいな雰囲気を出してはったんですが、私だけじゃなく他のお客さんもわーっと笑ってるシーンとかも何箇所もあったし、みんな楽しんでましたよ!
 でもAVバージョンのわくわく不倫旅行の方が時間も長いだろうし、変な制約もないだろうし、2つの作品を比べて見たらわくわく不倫旅行の方が良いって話にどうしてもなっちゃうんだろうなぁ。。。
 実は由美香とわくわく不倫旅行、2つの作品を見ようと思ったら手に入りやすいのはわくわく不倫旅行なんですよ。わくわく不倫旅行はダウンロード販売してるから見たいと思えばV&Rのダウンロード販売のページに行ってお金払えば見れる。由美香はDVDでも出てるんですけどアマゾン見たら売り切れになってました。結構前に発売されてるDVDなので中古を足で捜して歩いて見るか、今回みたいな上映会があるのを神に祈るしかない。だから由美香の方が良いって言われるよりわくわく不倫旅行の方が良いって方が救いがありますな。

 由美香上映後、10分ほどの休憩を挟んでカンパニー松尾監督と東良美季氏のトークショー。1時間以上やってました。80分位かな?由美香の上映時間とそんなに変わらない位の大ボリュームw平野監督も来ないし、15分か20分位軽くトークして終わるだろうと思っててメモ帳とか持たずにふんわりした感じで聴きはじめたら内容は濃いし興味深い情報もバンバン挟みこまれるしでどうしようかと思いました。筆記具を持ってなかったので途中からiphoneでメモを取ったのですが、トークショーの内容をiphoneでってのはやっぱ無理がありますねw自分で読み返してもなんのこっちゃ解んないようなメモしか取れませんでした。すっげぇ濃い内容のトークショーだったから映像か録音でも記録残しておいて欲しいと終わった後に思ったんですが、ロフトプラスワンとかと違って会場に備え付けのカメラとかも無さそうだから何にも残ってないんかなぁ…とりあえずメモを元に覚えてる事を書いていきます。

 ・ 松尾監督が東良美季氏が以前書かれた平野監督についての文章を読んで、それについて色々語りたいって事でトークショー開始。その、今回のトークショーの元になった文章がこちら。 「ネット上にその文章があるので家に帰ったら検索して読んで下さい」って何回も言ってはりました。AV情報誌『ビデオメイトDX』で東良氏が持たれていた『ヴィンテージ~作家別AV作品研究』という連載の2003年6月号から2004年5月号の1年分(!)のテキストなのですっごい長いんですけど、今回のトークショーで喋ってはった内容なども入ってるので是非読んでみて下さい。

 ・ 平野監督が自主映画を撮ってぴあのフィルムフェスティバルで賞をバンバン獲っていた頃『ポストダイレクトシネマの旗手』というように呼ばれていたという話から、ポストダイレクトシネマとは?というお話。
 まず、ダイレクトシネマというのはドキュメンタリー映画のジャンルのうちの一つで、撮影と同時に録音し、ナレーションを入れず、事実をそのまま伝えることを目ざすという作品の事らしいです。
 んで、ポストダイレクトシネマっていうのは、ポストって付く位ですから、そのダイレクトシネマ以降の、ダイレクトシネマを元にしたもっと上位の表現って事になるのかな?上にリンクを貼ってあります東良氏の平野勝之とは何者なのかの中では「カメラ自身がまるで意志を持ったかのように撮り手の思惑すらも超えて暴走する映画」であると説明されています。

 ・ 80年代のアダルトビデオの表現について。
 アダルトビデオというジャンルが始まった時、アダルトビデオ以前からあった同じような目的のメディア・ピンク映画と同じ物を作っても負けてしまうというのがあったのでアンチピンク映画という立ち位置にならざるを得なかった。
 実は日本のエロメディアでは、表のアダルトビデオという物が生まれる前に裏ビデオが存在していた。洗濯屋ケンちゃんなどの裏ビデオは今までの日本人が見た事のないモノ(他人の性交中の局部)を見せていた。
 ピンク映画とは違った表現で、しかもちゃんと表で流通させる商品なので裏ビデオのように局部は見せられない。ではどのような表現を見せるかという最初の回答が『美少女』。
 80年代AVの『野原に白いワンピースを着た美少女が』というような幼い表現は70年代に高校で映画を撮っていたような映画少年の妄想。
 文系の映画少年は普段気軽に話しかけられないようなクラスの可愛い女の子と喋るきっかけとして「映画を撮るから出てよ」という手を使っていた。なので、高校の文化祭で上映されているような映画は可愛い女の子を撮るだけ、という作品が多かった。

 ・ 平野監督がAV監督になった経緯について。
 高校卒業後、地元浜松の工場でアルバイトをして貯めたお金で映画を作り、ぴあフィルムフェスティバルで賞を獲ったりしたので上京してきたが、映画の仕事が無くてコンビニでおにぎりを万引きしたりして暮らしていた。
 平野監督が撮っていた映画は河童の格好をした奴とラッコの格好をした奴が川原で戦うような作品だったので、面白いけどそういう作品を撮る監督に予算を与えて映画を撮らせてくれる人はいなかった。
 河童とラッコが戦う映画の他に、乞食とオカマが川原で戦う映画もあった。今をときめく園子温監督がその映画に乞食だかオカマだかの役で出ていて、川原で戦っていたのだが、裸足でやっていたので怪我をしてしまった。そこから怪我をした園監督が病院へ行く様子を撮影し、手当てを終えてまた川原に戻って戦うという所を作品にしたりしていたらしいです。
 仕事がないので自主映画の頃の知り合いを脅して「何か撮らせろ!」と迫ったらアダルトビデオを撮る事に。そうやって撮影したのが『由美香の発情期~レオタードスキャンダル』。でもこの作品の出来に全然納得出来なかった平野監督は「腰をすえてAVをやりたい」と言い出し、AV監督としてのキャリアをスタートさせたそうです。

 ・ 90年代の平野監督の周りの空気。
 バクシーシ山下監督が日常を映像として記録しなければいけない、という事をしきりに言っていて、松尾監督や平野監督もそれにとても影響されて日常を撮影しまくっていた。林由美香もそれを感じていたのでわくわく不倫旅行の中で2人が喧嘩をした際、それをビデオで撮影していなかった平野監督に対して「監督失格だね」という事を言った。
 バブルが崩壊した後でオウム事件や阪神大震災の前の「終わりなき日常の始まり」の空気。
 バクシーシ山下監督は「(80年代AV的な)美少女は白々しい。それに比べてV&Rがやっていることは清々しい」「昆虫のようにセックスをする花岡じったや(80年代AVには居なかった)少ない時間で何万円も貰えるからとAVに出る女も本能のままに行動していて清々しい」と語っていたそうです。
 安達かおる監督についてはいつか作品にしたいし本も書きたいと語る松尾監督。

 ・ AVの表現はアンチ日本映画・アンチ客観映画。
 「こういうモノを撮ろう」としては撮っていない。そうやって作った作品は失敗している、という話をしている途中で何かに気づいた素振りを見せる松尾監督。「あぁそうか!普通の映画ってのは目的のモノを撮ろうとして撮っているんだ!」。
 松尾監督は昔から映画は苦手でウォン・カーウァイを観るくらいだそうです。
 「自分の現場ではおはようございますみたいな業界っぽい挨拶はしない。朝ならおはようございますは言うけど。よーいスタートという掛け声も使わない」

 ・ 昔のAVのお話。 
 「宇宙少女の父・さいとうまこと監督の現場では撮影しているうちにスタッフがみんな女優さんを好きになってしまうが、アダルトビデオなので最後はその女優さんがセックスしてしまうのは確実。あぁセックスしちゃうんだ、という感じになってしまう」
 「カンパニー松尾監督がパリ人肉事件の佐川一政を長崎オランダ村に連れて行って撮影したAVや遠藤ミチロウが名前を隠して監督をしたAVがある」

 ・ 平野監督は「由美香は(あの有名な人食い鮫の映画の)ジョーズ」だと言っているそうです。
 平野監督は小・中学校時代、図工以外はオール1だったので高校に行けず、浜松中の高校に行けない成績の子達が集まる専門学校みたいな学校に行ったとの事。井口昇監督も小・中学校時代オール1だったそうで、園話を聞いた平野監督は井口監督の事をさんざんいじっていたが実は自分も同じような成績だったと後でバレた。

 ・ ラスト近くで松尾監督が「(ポストダイレクトシネマなど色々な言葉があるだろうが)大切なのは平野監督がどういう位置で評価されるか」「最近はダウンロード販売などで古い作品も見れる。なので90年代のAVをちゃんと(した文脈で)評価して欲しい」という事をおっしゃってました。これは勿論自分の作品を評価しろって意味ではなくwネットを検索したりしても個々の作品についての感想なんかは見つかるけど90年代のAVシーン全体について研究・解説したような文章とかがないからそういうのを誰か書けという事を言いたかったのではないかと思います。

 ばーっと書いていった以外にも「『由美香』は監督失格に至るサーガ」とか気になるワードをいくつかメモしてたんですがどういう話の流れでその言葉が出たとかはっきり覚えてないので省略しました。ごめんなさい。ってか重要ワードをメモする事で後からその言葉が出るに至った話を思い出そうとして書いてるのに頭の容量が追いついてないからその話自体を忘れてるとか最悪ですね。もっと賢い頭で生まれたかった。。。いや、普通のトークショーのレベルなら何とかメモを元に色々書いていけるんですがすっげぇ密度の濃い80分だったのでこれが限界ですわ。
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