恥ずかしいカラダEscapeを購入して繰り返し見ていたのだが、その前に発売された恥ずかしいカラダDocumentはまだ見ていなかった。
 実は発売された時にネットでレビューを読んではいたのだが、そのレビューを読んだ限りでは見たいような見たくないような感じだったのでうにゃうにゃしていた。
 けれどもEscapeを見た後ではやっぱりこれは見とかなあかんかなという気持ちになったので、知人に「もしお店に行って売ってたら買って来てくれ」と頼んでお金を渡しておいた。見るべき作品なら神様が見せてくれるだろうとちょっとした運試しも兼ねて。HMJM作品置いてないお店も結構あるのでどうなるかなぁと思っていたらどうやら神様は私に是非見てみろと言っていたようで、定価より安い金額で手に入った。

 weekday sleepersのDuck Aliveが流れるオープニング。ましろ杏ちゃんの色々なイメージ映像と車載カメラで撮影された夜の東京の街を走る映像などが混ざり重なる素敵なミュージックビデオ。
 「救いようがない世界は誰も止められない 救われたくない君は誰にも止められない」というDuck Aliveの印象的なサビの部分。とても綺麗で救いようのない夜の東京。
 weekday sleepersさんのブログで「Dead Duckの後半の歌詞とアレンジを変えてDuck Aliveにした」という記述があった。その変えた歌詞がどの部分かなどは詳しく書かれていなかったのだけど、多分この部分だろうなぁと思った。そうじゃないと説明がつかない位、このDVDの為に作られたような痺れる楽曲。

 「にゃあ!」杏ちゃんの第一声。そこから始まるドライブしながらのお喋りのシーンは私にとってある意味衝撃映像だった。可愛くふにゃふにゃしながらお喋りする杏ちゃん。何これ!可愛い女の子とドライブするのってこんなに楽しいの?!世の男性はこんな楽しいデートをしてるの?驚愕の新事実。同性には見せてくれない女の子の素敵な部分。大好きな異性にしか見せてくれない一番可愛い姿がばっちり記録されていた。
 そしてドライブっていうといつも大量のアイドルのCDを持ち込み、走行中ずっとCDに合わせて歌いまくっていたこれまでの自分を猛省。いやでも私が甘えても気持ち悪いだけやからこれからも歌い続けるしかないか…

 そんなある意味衝撃的なドライブシーンに続いてFirst sexと題されたチャプター。松尾監督が「暴れ馬」と評し、「撮影が大変」だとイベントで語っていた杏ちゃんの見事な暴れっぷり。お見事。

 First sexの直後、同じホテルの部屋でのDeep Interviews。窓際に座り、インタビューに答える杏ちゃん。最初はまだ外が明るい状態だったのが、話すうちに段々夕闇が迫り、杏ちゃんの表情が見えなくなっていく。そんな中語られる杏ちゃんのこれまでのお話。想像以上に激烈な少女時代を過ごした杏ちゃんを救っていたのは通学中にバスの中で聴いていた銀杏BOYZ。…高校時代に銀杏BOYZ?!どんだけ若いねん!っていうのはさておき、それを聞いて色々納得がいった。
 杏ちゃんは峯田の曲に出てくる女の子そのまんまだ。多分「佳代」さんは杏ちゃんのような女の子なんだろう。「個人的には花と蛇なら、やはり谷ナオミ氏だと思う」と谷ナオミの花と蛇のDVDをブログに載せる杏ちゃん。クリスマスの夜に彼氏とカンパニー松尾監督の作品の上映会に行く杏ちゃん。見た目がダメで同じ様な事やってるおばはんは探せば結構居るだろうけどこれだけ可愛いのにこんなんだとかサブカル男子の理想の女の子じゃないっすか!杏ちゃん恐るべし。
 あと今書いてて気付いたんだけど杏って名前はもしかして銀杏BOYZから取ったのかな?銀杏BOYZってバンド名の「杏」は杏さゆりちゃんの杏から取ってるのでもしそうならなかなかややこしい事になってるなぁ。
 
 インタビューが終わり、夜の東京から茨城のとある町へ。ラブホテルに入り、そこでもちゃんと撮影をしているようだが何故かそのシーンは殆ど使われていない。この部分は今後出る未発表スペシャル等で使われるのか、それとも二人の秘密の撮影になるのか。多分普通に前者なんだろうけど、発表せずに持っておいて欲しいような気もする。何かその方がロマンティックっていうかなんというかそんな感じじゃないっすか。

 そんな気になる夜を過ごした翌日、二人で海辺に座って朝マックを食べたり制服姿でカーセックスしたり回転寿司を食べたり地元で人気の異常に豪華なラブホテルで撮影したり水族館で楽しくデートしたりと茨城の町を満喫しているんだけど、この茨城の部分が1時間弱位。そのうち結構な部分をカーセックスとラブホのシーンで使っている。

 これだけ色々してるのに1時間弱に詰め込んでるっていうのはなんだかもったいないような気もするけど、多分この作品を「ましろ杏ちゃんの物語」にする為に意識的に編集しはったんちゃうかなぁと思う。

 このDVDの一番最後の最後に「走れ」「まっしろになるまで」という杏ちゃんに向けたメッセージと思われる字幕が出る。

 「学校、恋人、親、全部にうぅぅぅってなっちゃって」「ぶっ飛んだ事がしたいと思って(AVの)事務所に応募した」とインタビューで語り、既に1年以上この仕事を続け、精力的にイベントもこなしAV女優として活躍する杏ちゃんにはまっしろになるまで走る以外の道はないのだろうか。まっしろになるまで走っていった先には何があるのだろうか。

 救いようのない君は誰にも止められない。救われたくない君は誰にも止められない。エンディングでも流れるDuck AliveのサビがDVDを見終わった後も頭の中をぐるぐる回る。
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※この『Duck Alive』が入ったアルバムOK Aliveはweekday sleepersさんのウェブサイトでフリーダウンロード出来ます。めちゃめちゃええアルバム。『Duck Alive』だけじゃなくて途中の移動シーンで流れる『ワンピース』や、恥ずかしいカラダEscapeで使われている『夏が壊れた』もこのアルバムに入ってます。